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■TOMIX 2軸貨車をKATO製カプラーへ交換【改訂版】
TOMIX製2軸貨車をKATO製カプラー(EF66前期形/CS/ナハフ11かもめナックルカプラー、カプラーN)へ交換しました。同時に車間短縮と自動連結(突き当て連結)の両立を図ります。
(PCでの閲覧を推奨。画像クリックで拡大します。)
1、TOMIX製 2軸貨車のカプラーポケット
TOMIX製2軸貨車のカプラーカバーを外しました。※
カプラーの穴にピン(軸棒)が通り、カプラーのお尻を板バネが保持しています。
※カバーの外し方…マイナスの精密ドライバーをカプラー側からカバーの隙間に差し込み、片側を持ち上げる様にコジると外れます。
2、EF66前期形ナックルカプラーへ交換(従来法)【4.8mm】
10個入り税別400円に交換してみます。
(1)ナックルシャンク根元の0.5mm厚くらい段差の部分をデザインナイフで削ります。
カプラーを横から見ます。
段差を柄の部分とツライチになるまで削ります。
仕上げは金属ヤスリを使うと便利です。
(2)次にEF66前期形カプラーの穴をピンバイスで直径1.4mmに広げます。
この時、ナックルシャンクとリップシャンクがずれないようにしっかり固定します。
又、一度1.3mm刃で広げてから1.4mm刃で更に広げた方が失敗が少ない様です。
(3)カプラーのお尻上側(点線部)を切ります。
ココを切る事でカプラーポケットのピン根元の突起をよけます。下側まで切らない様に注意します。
(右側が完成品です。)
切る時はリップルシャンクは外した方が良いでしょう。
(4)元の板バネを入れ、カプラーを刺し込み、金属カバーを戻し、完成です。
カプラーポケットからの突出量は4.8mmです。
スタンダードゲージで高さチェックです。
若干低いですが、試運転(R282、勾配4%あり)の結果、問題ありませんでした。
上記、工程(3)の代わりにカプラーポケット内部を加工する方法もあります。
カプラーポケット内のピンの根元に1mmくらいの突起があります。これをデザインナイフで削ります。
箱の内部なので中々思う様に削れませんが、何とか右側の様に削ります。リューターがあれば楽に削れるでしょうが、無い場合は工程(3)を推奨します。
3、CSナックルカプラーへ交換(従来法)【4.8mm】
EF66前期形ナックルカプラー(Z01-0224)とお尻以外が同じ形状の、CSナックルカプラー(Z01-0282)でもTOMIX製2軸貨車に組み込めます。
方法はEF66前期形と同じで、
(1)シャンク根元の段差を削りツライチにする
(2)根元の穴を直径1.4mmに広げる
(3)根元上側を切る
…に追加で
(4)カプラーお尻の突起を削り落す
です。
お尻の突起があると上手く首振り出来ないので削り落しますが、今度は板バネによる復元力が落ち過ぎます。
そこで百均の台所用スポンジを数ミリ角に切り出し、板バネの後ろに詰めます。
するとちょうど良い塩梅になります。
(板バネの復元にちょうど良い分だけ突起を削るという方法もあるかと思いますが、最適解を探すのが面倒なので上記の方法にしました。)
カプラーポケットからの突出量はEF66前期と同じく約4.8mmです。
4、EF66前期形ナックルカプラーへ交換(車間短縮法)【3.6mm】
上記従来法ではTOMIX同士の場合、車間が7mmでした。KATOや河合、MICRO ACEの2軸貨車では車間約4mmなので、これらを混結すると車間がバラバラになり見苦しい為、車間短縮化を試みました。カプラーは同じくEF66前期形(又はCS)ナックルカプラーを使います。
(1)ナックルシャンク根元の段差を削り、ツライチにします。(従来法と同じです。)
(2)次に連結器の柄のすぐ後ろにピンバイス等で直径1.4mmの穴を新たに開けます。
左が未加工、右が加工済みです。
穴の位置を変える事でカプラーをセットバックします。
肉厚が残るギリギリの場所に開口します。(始めは直径0.5mmで位置決めの為の小穴をポンチ代わりに掘るとやり易いです。)
元からある穴とつながっても、元の穴は削らない様にします。(元穴も1.4mmにしてしまうとカプラーが前後に動きセットバック出来ません。)
(3)カプラーポケット内のピン付け根の突起にカプラーが干渉する場合は、ナックルシャンクの点線の部分を右側の様にカットします。
ただし下側までカットしない様に注意します。
(突起に干渉するとカプラーの位置が下がってしまいます。)
この時リップシャンクは外して作業した方が良いでしょう。(1.4mm開口の場所や寸法により、この工程ナシでもOKの場合もあります。要は付け根突起がカプラーの穴に入ればOKです。)
(4)カプラーポケットに入れます。
左が従来法、右が今回の車間短縮法です。
カプラーポケットからの突出量は4.8mmから3.6mmになっています。
尚、ポケット内ピン根本の突起は削らなくてOKです。
※作例では工作精度が悪く、元の穴と繋がってしまいました。
(5)ここまでカプラーがセットバックするとオリジナルの板バネは使えないので、例によって数ミリ角に切り出した台所用スポンジをカプラーのお尻に詰め込みます。
これでカプラーの保持とリップシャンクが閉じる様にします。
(6)カプラーカバーを戻して完成です。
車体妻面からの突出量は、従来法(4.8mm)から車間短縮法(3.7mm)となりました。
スタンダードゲージで高さチェックです。
EF66前期は若干低いです。
R282・勾配4%で試運転しましたが、自然開放はありませんでした。
5、KATOカプラーNへ交換【3.1mm】
(1)まずKATOカプラーNのお尻の突起を削ります。
これにより0.5mmセットバックします。
(2)次にカプラーポケットの加工です。
ポケット内部のピンと根本の突起を全て削り取ります。
右が加工後です。
ニッパー、カッター、金属ヤスリを使いました。
(3)次にカプラーポケットの前のフチを削ります。
1mm弱の段になっている部分です。セットバックしたカプラーとの干渉を避けるためです。
(4)例によって、台所用スポンジを数ミリ角に3つ切り出します。
(5)カプラーをカプラーポケットに入れ、2つのスポンジを両側に押し込み奥側に保持します。
(6)3つ目のスポンジをカプラーの上に乗せ、カプラーを上側(車台側)へ押さえつけます。
(7)カバーを戻して完成です。
カプラーポケットのすき間から覗くスポンジは黒マーカーで塗ります。
カプラーポケットからの突出量は約3.1mmです。
車体妻面からの突出量です。
KATOカプラーNは2.6mm 、EF66前期(車間短縮法)3.5mmより狭くなりました。
スタンダードゲージで高さチェック、OKです。
試運転(R282、4%勾配あり)でも自然開放等の問題はありませんでした。
6、ナハフ11かもめナックルカプラーへ交換【3.3mm】
ナハフ11かもめナックルカプラー(Z05-1376)、10個入り税別600円に交換します。
以下、かもめナックルと呼称します。
かもめナックルのナックルシャンク側面です。
(1)根元側の段差をデザインナイフで削り、ツライチにします。
金属ヤスリで仕上げをします。
(2)金属カバーの穴に爪楊枝の先端をグリグリと約2.5mm、ねじ込みます。
(3)爪楊枝の先端にかもめナックルの穴を入れ、そのままカプラーを金属カバーに置きます。
(4)爪楊枝を持って、金属カバーごとカプラーを嵌めます。
(5)爪楊枝を切り取ります。
(6)金属カバーとカプラーの間に数ミリ角に切ったスポンジを押し込みます。
カプラーを上側へ押しつける為です。先の尖ったピンセット等があると便利です。
もしくは工程(3)で、爪楊枝の先端にスポンジを刺し、その上にカプラーを置いて、まとめてカプラーポケットに嵌める、という方法もあります。飛び出たスポンジは同じく押し込みます。
(7)念の為、爪楊枝の切断面と金属カバーにゴム系接着剤を少量付けておきます。
黒マーカーで、すき間から見えるスポンジを塗ります。
完成です。
かもめナックルのカプラーポケットからの突出量は3.3mmです。
車台をボディに嵌めました。車体妻面からの突出量です。
かもめナックルは3.3mmです。カプラーNの2.6mmよりは多めですが、良い塩梅です。
スタンダードゲージで高さチェックです。
ピッタリです。試運転(R282、4%勾配)もOKでした。
(この爪楊枝をカバーの穴に刺す方式は、TOMIXボギー貨車にも応用出来ます。)
7、まとめ
7-1、突出量
カプラーポケットからの突出量は以下の通りです。
・EF66前期形/CSナックルカプラー(従来法)…4.8mm
・EF66前期形ナックルカプラー(車間短縮法)…3.6mm
・KATOカプラーN…3.1mm
・ナハフ11かもめナックルカプラー…3.3mm
※数値は±0.1mm程度の誤差あり
7-2、EF66前期形/CSナックルカプラー(従来法)
EF66前期形/CSナックルの従来法同士では、車間は約7mmです。(アーノルドは10mm)
車両側(カプラーポケット)を加工したくない場合や、R282未満の小カーブがある場合は、この方式になります。
ただ、イレギュラーな使い方なので加工したカプラー同士での自動連結(突き当て連結)ができない場合もあります。車両側は加工しないのでアーノルドに原状復帰が出来ます。車間が広いので当方では不採用としました。
【評価】
〇…車両側は加工無し、小カーブOK
X…車間が広い
7-3、EF66前期形ナックルカプラー(車間短縮法)
EF66前期の車間短縮法同士では、車間は5mmになります。
カプラーポケットを加工したくない場合で、尚且つR282以上のカーブではこの方法が良いでしょう。
こちらもアーノルドへ原状復帰が出来るのがメリットです。一方、カプラーの加工は少し手間が掛かります。
CSナックルカプラーでも同様の加工が出来ます。
【評価】
〇…車両側は加工無し、車間狭い
X…カプラー加工が複雑
7-4、KATOカプラーN
KATOカプラーNの利用を考えた要因は次の通りです。
(1)EF66前期(車間短縮法)で車間5mmまで縮められたが、何とか他社並みの4mmに出来ないか。
(2)EF66前期カプラー同士の突き当て連結が多少しづらい時があるが、KATOカプラーNならし易い。
(3)KATOカプラーNは単価20円でEF66前期の半額。
等です。
KATOカプラーN同士により車間は4mmになりました。
加工はEF66前期よりはるかに簡単で、価格もEF66前期の半額でコスパに優れます。
当方ではこの方式を採ります。ただ車両側を加工するので、後でアーノルドに戻す事は出来ません。(勿論真鍮線でピンを立て直せば可ですが…。)
【評価】
〇…カプラー加工が簡単、車間狭い、コスパ良し(1個税別20円)
X…原状復帰不可
ただし、KATOカプラーNは他車のKATO製車間短縮カプラーと自動連結が出来ません。当方では、片側をKATOカプラーN、もう片方をEF66前期(車間短縮法)として、車間短縮と自動連結の両立を図りました。車間は同じく約4mmです。当初はこの組み合わせを採用していました。
7-5、ナハフ11かもめナックルカプラー
かもめナックル同士の車間は約4.8mmです。
EF66前期(車間短縮法)に比べ、カプラーの工作が簡単なので、今はこの方式を採っています。
やはりカプラーポケットを加工するので、原状復帰は出来ません。
【評価】
〇…カプラー加工が簡単、車間狭い
X…原状復帰不可
当方では、車間短縮と自動連結の両立が必須なので、1両にカプラーNとかもめナックルをセットで取り付けています。車間は約4mmです。現在はこの仕様を標準としています。
主要メーカー(KATO,TOMIX,MICROACE, ポポンデッタ/河合)のどの組み合わせでも車間が4mmで統一された2軸貨車の編成が組める様になりました。又どのメーカーとの組み合わせでも自動連結が出来ます。
TOMIXは、当初のカプラーN/EF66(車間短縮法)の組み合わせと、現在のカプラーN/かもめナックルの組み合わせの、両方が混在しています。
※2軸貨車の車間短縮と自動連結の両立については【コチラ】をご覧下さい。
※車短(車間短縮ナックルカプラー)、EF66(EF66前期形ナックルカプラー)、カトカプ(KATOカプラーN)、 かもめ(ナハフ11かもめナックルカプラー)
レイアウトに置いてみました。やはり車間がキッチリ揃うとカッコイイですね。様々な個性の貨車が雑多に編成される解結貨物は懐かしいです。昭和のローカル線の景色には欠かせません。
(左からKATO,TOMIX,TOMIX,河合,MICROACE)
こちらは全てTOMIX貨車のEF66(従来法)の車間7mmです。真横の画像でないのでちょっと判りづらいですが、やはりちょっとスカスカですね。
尚、記事中の各寸法はノギスの精度、工作精度、形式による差異、車台やカプラーのアソビ等により多少の誤差があります。
度重なる追記で記事が煩雑になったので、かもめナックルの記載を機に全体のレイアウトを見直し、改訂版としました。
※加工は自己責任でお願いします。
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【参考外部サイト】
2017年5月記載/12月/2018年6月/8月追記/2021年3月改訂(トミックス・カプラー交換)
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