~始めてのNゲージ固定レイアウト~
Nゲージ初心者の為のサイトです。蒸気機関区メインの固定レイアウトの完成を目指しています。
■KATO蒸機重連用カプラーをナックルカプラーへ交換
KATO蒸機の中でもC57の様に2軸先輪の場合、前に補機を付けて重連運転すると先輪が脱線し易い傾向がありました。そこでナックルカプラーをボディマウントしてみました。
(PCでの閲覧を推奨。画像クリックで拡大します。)
1、付属の重連用ナックルカプラー
付属の重連用ナックルカプラーは先台車へスプリング無しで直接装着されるので、前部補機との押し合いやカーブ出入口の首振りで脱線する事がままあります。特にDLの様な蒸機より遅い動力車を2軸先台車に繋ぐと脱線が顕著です。(当レイアウトの場合)
DLの前部補機を何とか実現したかったので、重連用カプラーをナックルカプラーにしてボディマウントしてみました。
外観的にも、胴受けにポッカリ穴が開きシャンクが下から伸びてくる重連用カプラーより実感的になります。
2、KATO製ナックルカプラー長
ボディマウント用に加工するのは、KATO製ナックルカプラー長(Z01-0239)です。(10個入り税別400円)
3、胴受け
KATO蒸機の胴受け(ダミーカプラー取付け口)は、C57 4次形の様にエンドビームに一体成型されている物と、C57 1次形の様に別パーツ化されている物とがありますが、カプラーの加工方法は同じです。
この胴受けに加工したナックルカプラー長を差し込みます。
4、ナックルカプラー長の加工
(1) まず、ナックルカプラー長のお尻の突起をデザインナイフでカットします(赤線部)。
(2) ナックルシャンクを側面から見ます。
ナックルシャンクの柄の3層部分の内、下1層をデザインナイフで切り取ります(赤線部)。
(3) ナックルシャンクの上面に長さ3x巾1.4x厚さ0.3mmのプラ板をゴム系接着剤で接着します。
(4) リップシャンクをゴム系接着剤で接着します。
2つを接着しました。
(5) リップシャンクの底面の突起と根元をデザインナイフでカットします。
プラ板はマーカーで黒く塗ります。
(6) 加工が終わりました。
ナックルカプラー長のシャンク寸法は、
巾1.4 x 高さ1.4~1.5 x 長さ3mm。
(高さ1.4~1.5mmはカプラー毎の工作精度のバラツキ)
ダミーカプラーの巾1.6 x 高さ1.4 x 長さ2.5mmとほぼ同じ寸法になりました。
※寸法は安物のプラ製ノギスによる計測値なので参考程度として下さい。
5、EF66前期形/CSナックルカプラーの加工
ナックルカプラー長の手持ちがない場合は、EF66前期形ナックルカプラー(Z01-0224)、あるいはCSナックルカプラー(Z01-0282)でも加工出来ます。
EF66前期形/CSナックルは、シャンクが約1.7mmしかないので、根元の穴ギリギリまで使います。
<1>根元の突起を穴の接線でニッパー等でカットする。
<2>残った左右の突起をデザインナイフでカットする。
<3>上面の段差をデザインナイフで削る。
以上で長さ3mmのシャンクにします。後の加工はナックルカプラー長の工程(2) ~ (5)と同じです。
完成品の外見はナックルカプラー長からの加工と同じになります。
ただ、工程は増えるので、ナックルカプラー長の使用を推奨します。
7、試運転
DLを前部補機として重連運転を行いました。遅いDLを後ろから押すので、より脱線リスクが高まります。
結果はR282の4%勾配、KATO4番ポイント(20-220/20-221)のS字等で、カプラー由来による脱線や自然開放はありませんでした。
試運転車両は下記の通りです。
・前部補機…DE10(7011-2)、DD51(7008-6、7008-7、7008-C)、DD54(7010-2)、DF50(7009、7009-1)
・本務機……C57 1次形(2024)、C57 4次形(2023)、C57 1号機(2024-1)、C59(2026-1)
※全ての組み合わせを試した訳ではありません。又、DLは手持ちの中から比較的起動電圧が低く、蒸機と同調しやすい車両を選んでいます。速度差があり過ぎると当然ながら重連出来ません。
付属の重連用ナックルカプラーは、先台車に前部補機の動きが直接伝わるので、2軸先輪の脱線率が高いものでした。特に蒸機に比べ遅いDLを前部補機にするには無理があり、前にDLを繋ぐのは諦めていましたが、今回の重連カプラーのボディマウント化で、DLの前部補機が可能になりました。
8、まとめ
又、重連用カプラーだと、胴受け・排障器等のディテールパーツを外す必要がありますが、ボディマウントならこれらのパーツを取り付け可能なのもメリットです。
車両本体への加工は一切必要なく、別売カプラーの加工だけで済みますのでリスクもありません。
蒸機現役時代の末期には、無煙化の準備として蒸機の前に慣熟運転のDLが付くことがままありました。
DLが付きだすと蒸機廃止が間近に迫っているという事で、SLファンには勿論不評でしたが、時代の移り変わりを感じさせる編成でした。
そんな時代を感じながらのDL前部補機、やっと運行出来る様になりました。中々goodで悦に入っています。
復活蒸機でも、主に回送時に前位にDLが付く事がありますが、そんなシーンも再現出来ますね。
DL前部補機、しばらく当方のトレンドになりそうです(笑)。
見た目優先なら、より小型のGREEN MAXナックルカプラー(8051、8053)が使える様ですが、当方は4%勾配があるので、あえて大きく自然開放しづらいKATOナックルカプラー長を使いました。
※工作・カプラー交換は自己責任でお願いします。
KATO公式動画(0613ホビセンフェスティバル)において、ビジネスカーナックルカプラー(Z05-0746)の加工方法が公開されています。
方法は、ナックルカプラー長と同じく、ビジネスカーナックルカプラーのお尻の突起を削り、蒸機の前部胴受けに嵌め込み、ボディマウント化するというものです。R249曲線と4%勾配で試運転し、問題ないとしています。
9、ビジネスカーナックルカプラーの加工(追記)
・動画(1時間46分08秒~) (2021年0613ホビセンフェスティバル)
・PDFファイル (KATO公式より引用)
ビジネスカーナックルカプラーは小型なので外観が大変良いのがメリットです。
ただ、ナックル部の垂直方向(厚み)の寸法が小さく、特に勾配と平坦部の境で連結部が「く」の字になった場合、レイアウトによっては自然開放のリスクが多少あります。
当方では、ナックル部の厚みがより大きく、自然開放のリスクがより少ないナックルカプラー長を常用しています。
10、KATOナックルカプラー(黒)センタリングバネ付 (追記)
上記、ビジネスカーナックルカプラーの売れ行きが大変良い様で、新たに定番パーツとしての販売(2022年9月~)がアナウンスされました。【公式HPコチラ】
製品仕様としてはビジネスカーナックルカプラーと全く同じ物で、価格・入数も同じですが、品名・品番が下記の様に変わります。
・【従来】ASSYパーツ
ビジネスカーナックルカプラー(Z05-0746)、10個入り、税別500円
↓
・【新規】定番パーツ
KATOナックルカプラー(黒)センタリングバネ付(28-270)、10個入り、税別500円
・動画(1時間50分30秒~) (2022年0508ホビセンフェスティバル)
ASSYパーツから定番パーツへ格上げされる事で再生産の頻度も上がり、入手性も良くなるとの事です。加工方法は勿論、ビジネスカーナックルカプラーと同じです。
【関連記事】
■KATO車間短縮ナックルカプラー(28-187)【レビュー】
■KATO カプラーN/カプラーN JPA【初心者向けレビュー】
■KATOマグネティックナックルカプラー 短(28-255)【初心者向けレビュー】
■KATOマグネティックナックルカプラー カプラーポケット用(28-257)【初心者向けレビュー】
■KATO 9600形の重連用ナックル探し/生産年の見分け方
■KATO D51(長野式)にスノープロウ付重連ナックルを付ける
■KATO DD16/DD16 304ラッセル【レビュー・カプラー交換】
■TOMIX蒸機(C57)重連用カプラーをKATOカプラーへ交換
■TOMIX C57(炭水車)をKATOカプラーへ交換【初心者向け】
2021年1月記載/2022年1月/5月追記
メールアドレスは公開されません。ニックネームは公開されます。