~始めてのNゲージ固定レイアウト~
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■河合製2軸貨車をKATO製カプラーへ交換
牽引機のアーノルドカプラーからKATO製ナックルカプラーへの交換に伴い、河合製2軸貨車をKATO製カプラー(車間短縮ナックルカプラー、ナハフ11かもめナックルカプラー、EF66前期形ナックルカプラー、KATOカプラーN)に交換してみました。(PCでの閲覧を推奨。画像クリックで拡大します。)
※旧河合商会の2軸車=現ポポンデッタの2軸車ですので、基本的にはポポンデッタ製2軸貨車のカプラー交換の記事【コチラ】と同様になります。又、一部の画像はポポンデッタの記事と共有しています。尚、絶版の香港TOMY製の2軸車(一部)にも適用出来ます。
1、河合製2軸貨車のカプラーポケット
河合製2軸貨車(ワム80000 KP-170)のカプラーポケットです。
ボギー貨車と同じカプラーポケットの様です。
又、香港TOMY(TOMIX)の前期製品も同型のカプラーポケットなので、以下同じ工程です。
カプラーポケットを外してみます。
外し方はポケットの側面を強く押すと外れます。
(KATO2軸貨車と同じです。)
外す時、部品を飛ばさない様注意します。
内部にはスプリングが入っています。
2、河合製2軸貨車の車台形状
河合の2軸貨車の車台には少なくとも2種類の形状があります。
一つ目はワム80000 (KP-170)の様にカプラーポケット取付け部が平らで突起がない車台。
二つ目はレ2900(KP-174)の様にカプラーポケット背後に突起(矢印)がある車台です。
突起の有無により、ナハフ11かもめナックルカプラー交換時のカプラーポケットの加工方法が異なります。
(三つ以上の種類があるかは不明です。)
3、車間短縮ナックルカプラーへ交換
スプリングは元から付いていた河合の物です。
車間短縮ナックルカプラーとスプリングをカプラーポケットに入れ、無加工でポン付け出来ます。
無加工なので車台の突起の有無に関わらず取り付け方は同じです。
スタンダードゲージで高さチェックです。
OKです。
カプラーの飛び出し量も最小(約2mm)で良い感じです。ワム80000は妻面が凸凹しているのでより引っ込んで見えます。
【追記】
車両形式※によっては、妻面とカプラーが接触しカプラーが下を向いてしまう事があります。その場合は、カプラー本体の後ろ側(矢印部)を削ります。※ワム3500、ワム21000、ワフ29000等
4、ナハフ11かもめナックルカプラーへ交換
もう片側はKATO製ナハフ11かもめナックルカプラー(Z05-1376)に交換します。(以下かもめナックルと呼称)
10個入り、税別定価600円です。
当区では車間短縮と自動連結(突き当て連結)を両立させる為、貨車の片側に車間短縮カプラー、もう片側にはナックルカプラーを付けています。
(詳細はコチラ)
かもめナックルも無加工で装着出来ますが、
無加工だと画像の通り車間短縮カプラーより突き出しがかなり大きいので下記の通り細工します。
又、かもめナックルに付属するカプラーポケットのフタは使用しません。
かもめナックルにはカプラーポケットにピンが必要ですが、河合のポケットにはピンが無いので、代用として爪楊枝を使います。
つま楊枝を挿し、両端の不要部分をカットします。
本来は画面右側にカプラーを付けますが、飛び出し量を減らすためカプラーポケットのお尻側(画面左側)にカプラーを付けます。
つまりカプラーポケットを前後逆さまに使います。
その為にカプラーポケットを一部切り取ります。
4-1、車台に突起が無い場合
まず、ワム80000(KP-170)の様にカプラーポケット取り付け部に突起が無い車台の場合です。
①カプラーポケットのお尻を開口します。
(カプラーを前後逆さまに付ける為です。)
上が無加工、下が加工済みです。
②かもめナックルをカプラーポケットに入れます。
車間短縮カプラーと同程度の最小限の突き出しになりました。
③かもめナックルのお尻にはカプラー保持の為、百均の台所用スポンジを数mm角に切り出した物を詰め込みます。
カプラーポケットを車台に取り付けました。
左が車間短縮カプラー、右がかもめナックルです。
かもめナックルはカプラーポケットが前後逆さに付いています。
4-2、車台に突起が有る場合
次は、レ2900の様にカプラーポケット背後に突起が有る車台の場合です。
カプラーを前後逆さまに付ける為に、カプラーポケットを3ヶ所カットします。
①カプラーポケットのお尻を開口します。
②ポケット前側の2つの足をカットします。
(垂直方向に刃を入れれば、次の③を省略できます。)
③ポケット前側の「フタ」になる部分の前のフチを約0.5ミリ カットします。
上が未加工のカプラーポケット、下が加工後です。
軟質のブラなので簡単にカット出来ます。
④かもめナックルをカプラーポケットに入れます。
車間短縮カプラーと同程度の最小限の突き出しになりました。
カプラーポケットが前後逆さになっています。
⑤カプラーポケットを車両へ取り付けます。
⑥カプラー保持の為、数mm角に切り出した百均の台所用スポンジをポケットの隙間から詰め込みます。
(カプラーポケットがカットにより箱状になっていない為、車台に取り付けてからでないとスポンジを固定出来ないので後付けします。)
➆隙間からのぞくスポンジは黒マジックで塗れば目立たなくなります。
ゲージで高さチェックです。若干低めですが自然開放はありません。
車台の突起の有無にかかわらず、同じ高さになります。
かもめナックルでもここまで引っ込める事が出来ました(約2mm)。ちょっと引っ込み過ぎでしょうか。
【追記】
上記で若干カプラー位置が低かったので改良してみました。
かもめナックルのカプラーアーム部の前後の段差をツライチに削ります。削った段差分カプラーを上側に保持し高くします。(上が改良加工済みです。)
カプラーの下に数ミリ角のスポンジを敷き、カプラーを上側へ押さえつける様にして車台に装着します。
スタンダードゲージでチェック、今度はピッタリ合いました。左が改良後、右が改良前です。
新規増備分からは改良版としましょう。
車両形式※によっては妻面の形状等により更に次の加工が必要になる場合があります。
(※ワム3500、ワム21000、ワフ29000等)
上記の加工に加え、カプラー本体の後ろを削ります。妻面との接触を避ける為です。
同じくカプラーの下に数ミリ角のスポンジを敷き、カプラーを上側へ押さえつける様にします。
スタンダードゲージでチェックです。若干低いですが試走の結果、OKとしました。(ワム3500)
5、EF66前期形ナックルカプラーへ交換【追記】
EF66前期形ナックルカプラー(Z01-0224)への交換を試してみました(以下EF66前期と呼称)。
10個入り、税別定価400円でかもめナックルより安価です。又、カプラーポケットは加工しないので、後々アーノルドに戻す事も出来ます。
まず爪楊枝をEF66前期の穴に通し、ナックルシャンクとリップシャンクを固定します。
飛び出た爪楊枝の先端をcutします。爪楊枝の長い側を持って次の工程を行うと工作が楽です。
カプラーのお尻の2つの角を45度にcutします。
左が未加工のEF66前期、右が加工済みです。cutしたら爪楊枝の不要部分を切り落とします。穴に残った爪楊枝はピンの代用としてそのままにします。
カプラーを側面から見ます。
EF66前期は低いので、カプラーの根元上面を削ります。
加工前ではお尻に段差がありますが、この段差を柄とツライチになるまで削り、その分、上へ持ち上げます。
加工の終わったEF66前期とカプラーポケット、数ミリ角に切り出した台所用スポンジです。
カプラーポケットは加工無しです。
スポンジをカプラーの下に敷き、カプラーを上側に持ち上げます。横から見えるスポンジは黒マジックで塗ります。
車間短縮カプラーと比較してみました。
カプラーポケットからの突出量は、車間短縮カプラー約4.2mm、EF66前期が約4.5mmです。(定規で目測)
車両に付けて完成です。スタンダードゲージでチェックします。若干低いですがOKとします。
ワム80000の装着例では車両端からの突出量は約2.5mmです。イイカンジです。
【追記】
EF66前期も車両形式※によっては妻面の形状等により次の追加加工が必要になる場合があります。
※ワム3500、ワム21000、ワフ29000等
上記の加工に加え、EF66前期カプラー本体の後ろを削ります。妻面との接触を避ける為です。
ナックルシャンクの上側1/3を削ります(破線部)。カプラーを上側へ保持する為です。リップシャンクは外して加工します。
リップシャンクを戻します。
カプラーの下に数ミリ角のスポンジを敷き、カプラーを上側へ押さえつける様にします。
スタンダードゲージでチェックです。若干低いですが試走の結果、自然開放しなかったのでOKとします。(ワム21000)
6、KATOカプラーNヘ交換
カプラーNを組立て、カプラーポケットに入れます。車両に付属のスプリングは使いません。カプラーポケットの加工も無しです。
車間短縮カプラーと比較してみました。
カプラーポケットからの突出量は、車間短縮カプラー約4.2mm、KATOカプラーNが約6mmです。(定規で目測)
カプラーNはもっと引っ込めたい所ですが、かもめナックルの様にカプラーポケットを逆さにするとカプラーのアーム部が車端に干渉し、引っ込める事が出来ません。
車両に付けて完成です。
スタンダードゲージでチェックします。OKです。
ワム80000の装着例では車両端からの突出量は約4.5mmです。ちょっと長いですね。又、首振りもほとんどしません。カーブはカプラー自身の「アソビ」で曲がります。
【追記ここまで】
7、試運転
試運転では、当区の難所R282の4%下り勾配にて車間3.5mmの場合、相手車両によっては妻面の角が軽く接触する事がありました。下り勾配では編成の自重で車間が縮まりますのでカーブの内側の角同士が接触しやすいです。
しかし、4種のカプラーともに走行には特に問題なく、脱線や自然解放はないので良しとします。これでKATOやTOMIX等他社の貨車と混結出来る様になりました。特に2軸貨車は車扱いで色々な編成をするのでメーカー問わず連結できると楽しいです。
8、まとめ (加筆)
KATOカプラーN、車間短縮カプラー、かもめナックル、EF66前期を並べてみました。
カプラーポケットからの突出量は画像の通りです。かもめナックルのみ、カプラーポケットが前後逆さです。(数値は定規の目測です。ノギスで測った訳ではありません。)
次に車両端からの突出量を見てみます。
ワム80000(KP-170)への取付け例です。
車間短縮ナックルカプラー(28-187)側は約2mmの突出です。カプラーとカプラーポット共に加工無しでポン付け出来ます。
セットバックしたナハフ11かもめナックルカプラー(Z05-1376)側も同じく2mm程度です。ほぼ限界ではないでしょうか。
カプラーポケットは前後逆さに付ける為に加工が必要です。
EF66前期形ナックルカプラー(Z01-0224)は約2.5mmです。
カプラーは要加工ですが、カプラーポケットは加工無しです。かもめナックルより安価です。
KATOカプラーN(11-702)は約4.5mmです。
カプラーとカプラーポット共に加工無しでポン付けできますが、突出量が大きいです。
次に車間を見てみます。
標準のアーノルドで河合ワム80000同士の連結です。
車間は9mmです。
河合ワム80000(車間短縮カプラー)と
河合ワム80000(かもめナックル)の連結面です。
車間は約3.5mmです。当区の標準運用となります。
KATOと連結してみます。
河合ワム80000 (車間短縮カプラー)とKATOワム80000(車間短縮カプラー)との連結面です。
車間は約4mmです。突き当て連結にこだわらなければ、この組み合わせでOKです。
河合 (かもめナックル)とKATO(車間短縮カプラー)との連結面です。
車間はやはり約4mmです。
河合 (EF66前期)とKATO(車間短縮カプラー)です。
車間は約4mmです。
河合 (KATOカプラーN)とKATO(車間短縮カプラー)です。
車間は約5.5mmです。
KATOカプラーNは不採用としました。
ちなみに、河合 (KATOカプラーN)同士では、車間7.5mmになります。これも広過ぎるので当区では不採用です。
KATO⇔河合⇔河合⇔KATOで連結してみました。
車間短縮カプラーとEF66前期、又はセットバックしたかもめナックル同士で連結する事で、短い車間と突き当て連結の両立が出来ます。これが当区の標準運用になります。車間も約4mmで揃います。
※短縮…車間短縮カプラー、EF66…EF66前期形カプラー、かもめ…ナハフ11かもめナックルカプラー
編成にするととても実感的な車間なのが判ります。
※改造は自己責任でお願いします。
河合製の2軸貨車は今の所、このワム80000(KP-170)2両しかありませんが、モールドのディテールも良く、各種表記の印刷もとても精密で良い製品です。KATOやTOMIXと混結しても全く違和感ない高い品質だと思います。
(画像クリックで拡大モード)
河合製貨車と言うとタキ5450の腰高感のイメージが強いかもしれませんが、こと2軸貨車に限れば全くそんな事は無く、KATOレベルだと思います(ただし一部の元香港TOMIX流れの古い製品は除く)。今後、増備したいですね。事業を引き継いだポポンデッタには同じ品質で再生産を頑張って頂きたい所です。
2017年10月記載/2018年9月/10月/2019年4月/5月追記
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