~始めてのNゲージ固定レイアウト~
Nゲージ初心者の為のサイトです。蒸気機関区メインの固定レイアウトの完成を目指しています。
■蒸気機関区の基本的配置①【機関庫】
当レイアウト(ジオラマ)のメインテーマは、今ではほとんど消滅してしまった『扇形機関庫を持つ蒸気機関区』です。
数十年前、会津若松や中津川、木曽福島、長万部等の蒸気機関区を訪れましたが、当時は機関車そのものだけに目が行ってしまい、機関区自体の記憶がほとんどありません。そこで色々調べて見ました。
1、機関庫の基本配置
まず、機関庫には扇形機関庫と矩形(くけい)機関庫の2種類があり、各模型メーカーから発売されています。文字通り、おおぎ形と長方形の機関庫です。(代表例としてKATO製の製品を示します。)
扇形機関庫を持つ機関区の基本的配置は次の様なものです。
図1の様に、扇形機関庫→転車台→入出庫線(給炭水設備)→本線という配置が基本になります。
注意したいのは、扇形庫と矩形庫は同列に扱わないという事。
つまり図2の様に転車台を中心に扇形庫と矩形庫が並ぶことはない、という事です。
多くのNゲージレイアウトで扇形庫と矩形庫が並んでますが、これはKATOのユニトラックレイアウトプランの影響(?)かもしれません。
ユニトラックレイアウトプランで、扇形庫(23-240扇形機関庫)と矩形庫(23-225木造機関庫)を使っているプランは、全て転車台を中心に2つの異なった機関庫を並べています。
23-240扇形庫
23-225矩形庫
※画像はカトーHPより
もっともあくまで「模型」ですから、スペースの都合で並べざるおえないというのはアリかもしれませんが、本来はわざと狙ってやる配置では無いという事ですね。KATOの場合は、「商売上」2つの商品(扇形機関庫、木造機関庫)を並べたいのかも?(笑)
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私も当初はKATOプランに従い並べてました。(笑)
では実際は扇形庫と矩形庫の両方がある機関区はどの様な配置なのかを示したのが図3です。
矩形庫は、転車台からの盲腸線(枝線)とは別の場所(入出庫線上等)にあります。
用途も蒸気機関車以外の車両用の様です。
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レイアウトプランでは2種類の機関庫を転車台を中心に並べていたKATOも最近は気がついたのか(笑)、ホビーセンターカトー東京店のレイアウトの機関庫はちゃんと別々に配置されています。
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当レイアウトのテーマは『扇形機関庫を持つ蒸気機関区』なので、勿論実物のセオリー通りに別々の配置に訂正しました。(笑)
尚、転車台があり矩形庫しかない機関区では、図4の様になります。転車台の盲腸線に矩形庫が設置されることは無いようです。
例外的なのは高松機関車庫の様に、扇形庫と矩形庫が合体した変形機関庫の場合です。変形機関庫は扇形と矩形が並んでいると言えるかもしれません。
2,まとめ
実物では扇形庫は転車台に、矩形庫は入出庫線等に、別々に配置されている(図5)。
転車台を中心に 2種類の異なった機関庫は並ばない(図6)。
色々と書きましたがあくまで実物はこうです、という話しです。
図6の様に、転車台を中心に矩形機関庫を枝線に配置すると入出庫線が短くてすみ、レイアウトボードが数十センチ短くて済みます。雰囲気だけで良ければこの配置でも充分、蒸気機関区の雰囲気は出ます。
要は実物の配置を知った上で、レイアウトのスペース等を考慮しながら自分なりにこだわれば良いのではないでしょうか。
3、参考資料
以下の書籍、HPを参考にしました。
-1,書籍
鉄道風景回顧(Ⅱ) 大正出版
2016年6月記載