
~始めてのNゲージ固定レイアウト~
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■KATO DF50インレタ・パーツ取付け【初心者向け】
KATOのDF50(7009,7009-1)にインレタ(ナンバー転写シール)やホイッスル、手すり等、付属パーツを取付けました。DF50は、粘着しづらいインレタや切り出しの難しい手すり等、初心者泣かせとして有名(?)な製品ですが、焦らず丁寧に行えば私でも何とかなりました。初心者(私もですが)向けにコツやヒント、使用ツールを掲載しました。
(PCでの閲覧を推奨します。画像クリックで拡大します。)

(※一部パーツをDF50メイクアップパーツセットに交換しています。)
~目次~
1、製品

DF50(7009)、DF50四国形(7009-1)ともに2010年生産ロットです。ロット番号はそれぞれ…
7009…007-0092-1003
7009-1…LOT:30110901です。
尚、DF50茶(7009-2)は所持していませんが、パーツの取付け方法は同じです。
ちなみに初回生産/再生産は…
7009…2005年/2010年
7009-1…2010年/未?
7009-2…2016年/2019年です。
2、パーツ取付け順
DF50茶 取扱説明書pdf
取扱説明書にはパーツ取付けの順番は特に記載されていませんが、次の順番を推奨します。
①転写シール(インレタ車両番号)
②メーカーズプレート
③信号炎管とホイッスル
④手スリ
3、転写シール(インレタ車両番号)取付け
-1、分解

転写シール※取付けの前に、まず車体と足回りを分解します。足回りが付いていると色々と作業しづらい為です。ボディの裾に爪をかけ、少しボディを開けば外れます。
※以下インレタと呼称します。

次に、車体内側にあるテールランプのパーツをピンセットで外します。すると解放テコのダボが2つ見えるので、このダボを押し出して解放テコを外します。
テールランプは作業中に外れ易い為、解放テコは破損し易い為に外しておきます。
-2、冶具製作

運転台正面のインレタを貼るときの冶具(保持台)を作ります。
適当な厚紙を折り、ボディを縦に自立させる台を自作しました。(KATOレールのパッケージの厚紙で適当に作りました。)

ホディが自立するので正面のインレタ貼りがとても楽です。これ無しで片手でボディを縦に保持しながら、インレタの位置決めや転写をするのは経験上とても大変です。又、前面手スリを取り付ける時も重宝します。

こちらは側面ナンバーを貼る時の冶具です。
タミヤのスチレンボード(5mm厚)を使い、巾17.5mmX長さ30mmに切り出しました。

これをボディにはめます。
側面のインレタを擦る時、車体が内側にたわまず作業し易くなります。

又、側面の転写済みインレタが痛まない様に上記スチレンボードで「枕」を作りました。

上側のインレタを作業する時に転写済みの下側のインレタが机に接触しないので安心です。
-3、洗浄

まず、ボディのナンバー取付け部(インレタ転写位置)を台所用中性洗剤の水溶液で洗浄します。
綿棒で優しく擦り、油分や汚れを取り除きます。
次に流水で洗剤を洗い流します。この際、万が一パーツが外れても排水口に落ちてしまわぬ様に受け皿の上で行うと安心です。

ティッシュで水分を取り除きます。
-4、インレタの切り出し

インレタを切り出します。以下の作業は全て2.5倍拡大ルーペ下で行いました。
又、安物カッターは刃がぐらつくので不可です。ちゃんとしたデザインナイフを使いましょう。私はオルファ社のアートナイフプロを使っています。タミヤ模型にもOEM供給している定番ツールです。

付属のインレタは形式(DF50)と車番が繋がっている物は1種類だけなので、手軽なのは一番左の車番(54号機)を選べば、1回の切り出しで済みます。(青枠)
※画像は「DF50 54」が2枚切り出し済み

厄介なのはその他の車番を選んだ場合です。DF50と車番XXXと2枚切り出す必要があります (例えば「DF50」と「533」) 。
それだけでなく、この2つの数字をズレ無く並べなくてはなりません。
ここはケチらないで全ての車番に「DF50」を付けてもらいたかったですね。←これは皆さんのDF50のブログでも『定型文』になっています(笑)。
2枚のインレタの貼り方としては…
パターンA…まず「DF50」をボディに貼り、次に「車番XXX」を貼る。
パターンB…「DF50」と「車番XXX」を並べて事前に一体化してから、同時に貼る。
の2パターンがあると思いますが、私はBの方法で貼りました。理由としては、Aだと「DF50 XXX」全体のバランスが事前に判らないので、貼った後に全体がちょっと右(又は左)だった場合、修正が効かないからです。

まず「DF50」を切り出し、カッティングマットにセロテープで貼ります。
メタルインレタは文字の上にセロテープがかからない様にします※。
数字の下側をマットの罫線に合わせると車番との位置合わせが楽になります。

「車番」を正確に並べ、再びセロテープを貼ります。「車番」は縦のガイド線はカットして切り出しました。取説通りに縦線を残すと「0」に重なる為です。透明のインレタはピ ンセット等で飛ばすと発見が難しいので注意して取り扱います。(2回行方不明になりましたが、幸い目の良い嫁が見つけてくれました。15cmくらいは簡単に飛んで行くので作業台の上には余計な物は置かない様にします。)

最終的な確認はデジカメで撮影し、モニターで拡大表示させてズレ具合を確認しました。
(当方のルーペが2.5倍な為、こんな面倒な事をしましたが、5倍のルーペがあれば必要ないでしょう。もっともルーペで判らない程度のズレなら許容範囲としてそのまま貼っても良いのですが、撮影しながらの製作だったのでついつい気になってしまいました(笑)。)
-5、インレタ転写

いよいよ転写します。9年前のインレタなので粘着力がかなり劣化していたので温めてみます。
まず、ボディにセロテープでインレタを留め、蒸しタオルで約3分程度加温します。この時、蒸しタオルはポリ袋に入れておきます。蒸しタオルに直接置くと湯気でビショビショに濡れてしまいます。

又、インレタ転写用ツール(バーニッシャー)もお湯に漬け加温します。

バーニッシャーはミネシマTM-104 [インレタツール#2]1mm/1.7mmの1mm側のヘッドを使いました。
取説には「ボールペン等で」と記載されていますが、高価な物でも無いのでバーニッシャーの使用を強く推奨します。ボールペンよりはるかに使い易いです。

さて、転写の結果です。まずは品番7009の54号機。
正面は3文字でギブアップ(作業時間約1時間)。とにかく車体側に付きません。やっと付いたと思っても、隣の文字を擦っていると又透明フィルムに戻ってしまったりと埒が明きません。粘着力がかなり弱っていました。ただ一度付いてしまえば、爪楊枝で故意に剥がそうとしない限り剥がれませんでした。

側面はなんとか上手く転写しました。もっともこの6文字に約1時間かかりました。
12文字中、成功が9文字では、予備が1組しかないので4カ所全てに貼るのは不可能と判断しました。
尚、転写しづらいからと言って強く擦るのは意味のない事だそうです。インレタは強く擦ってはいけないそうです。

こちらは品番7009-1の44号機です。こすってはフィルムを少し剥がすを繰り返すので、微妙に文字がずれて来ます。文字が踊っているのが判ります。既に張り付いているので修正は出来ません。一度付いた物を爪楊枝等でずらすと今度は付かなくなります。
又、フィルムから半分程度剥がれた文字を爪楊枝で剥がしボディに乗せる方法も試しましたが、位置決めは至難の業です。1文字程度なら何とかなりますが、複数だと隣の文字に触れただけで又一からやり直しになります。米粒に文字が書ける人でないと無理です(笑)。又、なんとか位置が決まってもそれを定着する過程でズレてしまいます。 ヤッテラレッカー! (#`Д´)ノノ┻┻;:'、・゙

側面は3文字しか転写出来ませんでした。18文字中15文字が付きましたが、ご覧の様な有様でした。こちらも4カ所にキレイに貼るのは不可能と判断しました。先輩方のブロ グを拝見すると皆さん苦戦しながらもキレイに貼れててとても凄いです。

さて、車両付属のインレタは経年劣化により使用不可でしたが、もう一つ手持ちがあるので試してみます。
KATOラウンドハウス製DF50メイクアップパーツセット(11-505)に付属のインレタです。
※DF50メイクアップパーツセットの詳細レビューは【コチラ】。

ロット番号(?)は011-0001-0511です。
何年製でしょうか?そもそもパーツに生産年が記載されているかどうかも不明ですが…。
(製品としての初回生産は2005年、何回再生産されているかは不明です。手持ち品の購入日は2016年です。)

真冬の作業でしたので、こちらも一応転写前にインレタ、バーニッシャー共に数分間温めました。

ナンバーは継ぎはぎの必要な545号機を選択しました。セロテープで貼った状態です。これを擦ると…。

作業時間10分程度で、文字の周辺が透明になります。これが転写が出来た一つの目安です。
ゆ~~くりと慎重に透明フィルムを剥がします。

キレイに貼れました。台紙(リリースペーパー)を上に かぶせ、もう一度擦り、しっかり定着させます。
先ほどの車両付属の劣化インレタと違い、簡単に転写出来ました。台紙から剥がした時点でノリが効いているのが判ります。これが本来だと思います。

正面です。

こちらも簡単に転写できました。一発で決まるので文字もキレイに並んでいます。
車番3ケタのナンバー位置は取説を見るより、実車写真を参考に決めた方が良いでしょう。窓枠の幅内に数字が全て収まる様に貼ります。
又、KATOは中央手すり短、両側手すり長の車両をモデル化していますが、実車には中央手すり長や両側手すり短の車両もあるのでナンバーの相対的な位置を見る時は注意が必要です。
-6、インレタ(転写シール)まとめ
古いインレタの場合の対処法です。
1、30分擦って付かなければ諦める。
2、DF50メイクアップパーツセット(11-505)のインレタを試す。
3、車両の再生産時にASSYパーツとして新しいインレタを購入する。
※ASSYパーツ品番…山陰/九州形7009J、四国形7009-1J、茶7009-2J
4、3rdパーティー(くろま屋、レボリューションファクトリー)のインレタを使用する。
※くろま屋…品番176~178・S-563~S-565、レボリューションファクトリー…495
5、KATOカスタムショップに転写作業を丸投げする。

私は、2と3で対応しました。
4の3rdパーティー製は、どの番号でもちゃんと「DF50 XXX」となっているので、KATOの様な継ぎはぎも不要です。
5はHPのメニューにはDF50がありませんが、注文票にDF50と記載すれば良いそうです(電話で確認しました)。もっとも転写しないインレタの場合は、作業不可と言われるかもしれません。

インレタ作業は一見大変そうに見えますが、ノリが効いていて、尚且つ切り出しが1枚で済めばそれほど難しくはありません。
完成すれば大変実感的で、プレート差し込み式より精密感もあります。
車両を購入したら、インレタが劣化する前にすぐにナンバーの転写作業だけは済ませましょう。

尚、インレタは「擦る」より「押さえる」方が良い、とのアドバイスを頂きました。「擦る」と文字がずれやすいので、上から何度も 「押さえて」文字が車体に付いてから、文字に沿って擦ると良いそうです。
4、メーカーズプレートの取付け

次はメーカーズプレートの取付けです。
ナンバーによりメーカーが違うので、この作業を後にしました。どの車体ナンバーがどのメーカー製造かは、各取説に記載されています。又、下記 8、仕様・配属等にもまとめました。

一発でランナーから切り出そうとするとパーツ側に切り込んだりします。メーカーズプレートは予備が無いので、まずは慎重にパーツから離れた所でランナーから切り離します。ランナーを裏返して、切断部をカッティングマット直上にして切り出します。

バリを取ります。

マスキングテープにメーカーズプレートを貼り付け、爪楊枝等でゴム系接着剤を少量付けます。
マスキングテープに保持したまま、ボディに貼り付けて完成です。


5、信号炎管とホイッスルの取付け

信号炎管とホイッスルを取り付けます 。

まずは信号炎管の切り出しです。
ただ普通にランナーから切ると部屋の彼方へ飛んで行きます(笑)。予備があるからと安心しているとアッと言う間に最後の2個になります。そこでパーツをマスキングテープに付けて飛び防止をしてから切り出します。
ランナーに数字の刻印がある側を下にすると良いでしょう。

信号炎管をそのままボディにはめようとすると、やはりどこかへ飛んで行きます。そこで根元を斜めにカットし、はめ易くします。マスキングテープに貼ったまま、飛び防止を してカットします。
(左が斜めカット済み、右はランナーから切ったままです。)

取付けは指で押し込もうとしても指が痛いだけなので、爪楊枝を用います。
爪楊枝の頭は凸面なので頭を切り取り、切断面に軽くV字の凹みを削っておきます。V字にパーツをくわえ込む様にします。

マスキングテープで拾い、ボディの取付け穴にそっと置きます。

爪楊枝で信号炎管を真上から押し込んで完成です。
接着剤は不要です。

ホイッスルも同様の手順です。
やはりランナーの数字の刻印がある側を下にしてマスキングテープに貼り付け、飛び防止をしてから切り取ります。

ランナーを剥がせば、切り出したホイッスルがそのまま残ります。
ホイッスルもそのままだとキツくてなかなかボディに嵌りません。例によってどこかへ飛んで行きますので、こちらも根本を斜めにカットします。(左が斜めカット済み、右はランナーから切ったままです。)

ホイッスルの取付けにランナー付属の冶具はほぼ役に立ちません(笑)。先ほどの改造爪楊枝を用います。

ソフト粘着剤(コクヨひっつき虫)を爪楊枝に少量付け、ホイッスルを付けます。
分かり易い様に沢山付けていますが、実際はこの半分以下で充分です。

そのまま取付け穴にそっと乗せてから、爪楊枝で慎重に押し込みます。指で押し込もうとするとホイッスル本体が下へ折れ曲がってしまいます (経験談ですww) 。
こちらも接着剤は要りません。尚、ホイッスルは前後がある(短い方が前)ので注意します。

完成です。ホイッスルは予備が2個ありますが、油断しているとすぐに部屋のどこかへワープします。今回も2つ行方不明になり、1つは机の下、もう1つはなんとトイレで見つかりました。服に付けたままトイレへ行き、そこで床に落ちた様です。
上記のひっつき虫+爪楊枝方式にしてからは、飛ばす事もなくなり、楽に取り付けられる様になりました。
ホイッスルは他のKATO製機関車でも大抵ユーザー取付けなので応用が出来ます。
6、手スリの取付け
インレタに次ぐ難関、手スリの切り出しです。勿論拡大ルーペ下で行います。
なお、ランナー刻印の番号と取説の番号が一致しません。ランナー①=取説③、ランナー②=取説④に対応します。取説優先で手スリの形状を良く確認して取り付けます。


(取扱説明書より)

手スリも一回では切り出さず、まずはパーツから離れた場所で4本一組として切ります。1本で切り出すと、小さくて取り扱いにくい為です。
これで両エンド12本分です(笑)。

このパーツの最悪な所は、手スリの一番目立つ正面部分にランナーが付いている事です。ココ(ゲート)をキレイに切断しなくてはなりません(点線部)。何でもココをつまんでホディに差し込み、取り付けた後にココを削る、といった設計思想でこんな所にランナーが付いているそうです。取付け済みのカッティングマットも敷けない場所でこんな細いパーツからバリだけを削り取るなんて一体どんな天才が考えたのでしょうか(笑)。KATOの設計者は実際にやってみたのでしょうか?
私の様な凡人にはとても真似出来ないので、取付け前にランナーを切り落とします。パーツが細かいので4つ本繋がった状態のまま作業します。

直線刃では手スリ側に切れ込み、手スリを切断しまう恐れがあるので、曲線刃を使います。

刃をランナーに当て、刃を引くのではなく、その場でゆっくり回転する様にして切断します。
材質が軟質プラなので簡単に曲がるので、手スリを切断しない様注意します。幸いなことに手スリ切断はゼロで切り出し出来ました。

手スリの取付け部を切り離して切り出しは終了です。これを計12本切り出すヘビィな仕様です(笑)。

取付けです。ピンセットで摘み、ボディに差し込もうとしてもこれまた飛んで行きます。
粘着力を弱めたマスキングテープで拾い、穴の上にそっと乗せます。(上記ひっつき虫でも可)
それから例の改造爪楊枝でゆっくりと押し込みます。ここでもボディ自立の自作保持台が役に立ちます。

手スリによっては緩くて左右に動く物もあります。特に中央の2本が緩めです。そこで車体裏側から木工用ボンドを付けて固定します。(木工用ボンドを付けなくても手すりが抜ける事はないので、気にな らないならこの工程はパスしても良いでしょう。)
両側の4本の手スリの根元は全て見えていますが、中央の2本の根元は運転台に隠れて下側2カ所しか見えません(矢印)。

そこで運転台を外します。
①小型のマイナスドライバーを運転台の角と窓パーツの間に1mm程度入れ、車体中央側(画像の場合は半時計方向)にほんの少し回します。
②同時に運転台に爪をかけ、車体中央側に押します。
すると運転台のダボ(凸部)が窓パーツの穴から外れます。この作業を片側ずつ行います。両側のダボが外れれば運転台が外せます。
ドライバーを深く差し込み過ぎると窓パーツを傷つける危険があるので注意します。写真では金属ドライバーを使っていますが、KATOの緩急車に付属する様なプラ製のマイナスドライバーの方が安心でしょう。
運転台の取り外しにはちょっとコツが要りますが、下記の構造を知れば難しくはないでしょう。
運転台側面のダボ(凸部)が窓パーツ側面の穴にはまっています。
