
~始めてのNゲージ固定レイアウト~
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■KATO DD54【4形式全比較レビュー】
2017年12月に新発売されたKATO製DD54初期形(7010-4)、中期形(7010-2)のレビューです。併せて過去モデルの初期形お召機(7010-3)、ブルートレイン牽引機(7010-1)との比較もしてみました。購入を検討している方の参考になれば幸いです。(2台分なので長文です。各画像クリックで拡大します。)

1、製品概要
・「DD54は、昭和41年(1966)に登場した亜幹線用のディーゼル機関車で、昭和46年(1971)までに40両が製造されました。当時の西ドイツの技術を導入して、軸重軽減のために足回りをB-1-Bとした特異な軸配置が特徴です。」※メーカーHPより一部抜粋
・バリエーション…初期形(7010-4) 2017年発売・税別7,000円
中期形(7010-2) 2017年発売・税別7,000円
初期形お召機(7010-3) 2011年発売・税別7,500円
ブルートレイン牽引機(7010-1) 2010年発売/2020年3月再生産・税別7,000円
国鉄形DLの中でもファンの多い形式で「く」の字形の運転台や1軸の中間台車等、どことなくヨーロピアンなデザインが特徴です。3タイプ(1~6次)に分かれています。
・初期形(1次)は量産試作機で機番は1~3号機、品番7010-3と7010-4が該当します。
・中期形(2次)は4~8号機、前照灯が屋根上から窓下へ移動したのが特徴で最初の量産型です。
・(3次)9~17号機で側面ルーバーの意匠が変更されました。7010-2が該当します。
・(4次)18~24号機もほぼ同じ仕様で、7010-2が該当します。
・後期形(5次)25~29号機で運転台の窓枠がステンレスからHゴムへ変更されました。
・(6次)30~40号機が最終型で、車体継ぎ目が無くなり一体構造になりました。7010-1が該当します。
今回の発売によりDD54の3タイプが揃いました。
2軸貨車から旧型客車、20系ブルトレまで何を牽いても絵になります。又、DD54同士の重連は勿論、C57等との重連、3重連もありました。どんな組み合わせでもこなせる万能(ただし模型的にはですが…)DLです。(実車のお召以外の重連は救援運用等、散々な様でしたが…。)

初期形7010-4、中期形7010-2ともに標準のクリアケース401です。
・ロットナンバー
初期形…007-3550 LOT:3710541
中期形…007-3547 LOT:3710541
ケース裏面の公式側イラストです。初期形と中期形の違いが良く判ります。

初期形(7010-4)

中期形(7010-2)
3、付属品

付属品はナンバープレートと交換用ナックルカプラー、取説だけです。ナンバープレートは前面と側面の区別があるので注意します。
ホイッスル、信号煙管、手すりは取付け済みで老眼に優しいですネ(笑)。

カプラー交換ですが、取説では「スノープロウを下に引いて外す」とありますがキツイ様です。
スノープロウの端(矢印)に爪を入れ、車体中心の方向へ押すように外すとロックが外れ易いです。(取説でロックの凸形状の向きを確認して下さい。)

以前の初期形お召機7010-3はお召機の証しの日章旗、
ブルトレ牽引機7010-1は出雲のヘッドマーク
が付属していましたが、今回は何もなしでチョット寂しいです。
4、レビュー
初期形7010-4の全景です。全長約98mmです。(カプラー除く)


初期形と中期形でまず目につくのは前照灯の配置の違いです。
初期形は屋根、中期形は窓下で随分印象が変わります。

初期形7010-4 公式側1エンド
初期形7010-4の公式側、1エンドです。

中期形7010-2 公式側1エンド
中期形7010-2の公式側、1エンドです。

初期形7010-4 非公式側2エンド
初期形7010-4の非公式側、2エンドです。

中期形7010-2 非公式側2エンド
中期形7010-2の非公式側、2エンドです。

では先頭から見ていきます。
初期形では区名札入れとタブレットキャッチャーにメッキが施され、お召機運用の面影が残されています。エンド表記の場所も違います。
飾り帯は共にメッキ仕上げです。前面と側面の白い手すりが良いアクセントになっています。窓直下の水平の手すりはモールド表現です。

正面窓の傾斜の違いもちゃんと作り分けられています。
初期形より中期形の方が垂直に近いです。(側面窓の形を比べると判りやすいです。)

解放テコの先端形状も違います。
スカート・スノープロウは同じです。
スノープロウにも繊細なモールドが施されています。
運転室ドアの引き込み部を見ると、上下ルーバーの間で車体側面の角度が変り、上側が絞られているのが良く判ります。ヨーロッパ調に見える所以ですね。

初期形の公式側1エンドの側面upです。
屋根へ上がる側面ステップが設けられています。側面ルーバーは縦枠のある初期タイプ、点検扉等々はいつものKATOクオリティーです。
メーカーズプレート「三菱」は印刷済みで精緻です。DD54は全車三菱製なので別パーツではなく印刷なのでしょう。
3ヶ所のHゴムの車体分割線も精密です。

中期形公式側1エンドです。
こちらには屋根へのステップはありません。側面ルーバーの縦枠も無いのでとてもスッキリして見えます。又ルーバーの外枠のリベットの数まで作り分けられています(初期は2x4本、中期は3x5本)。恐るべしKATO(笑)。
メーカーズプレートは同じく「三菱」が印刷済みです。

初期形の公式側2エンドです。
SG(蒸気発生装置)のルーバーがあります。
又、運転室ドアに設けられたタブレットプロテクターも精密にモールドされています。

中期形、公式側2エンドです。
SG用ルーバーが無く、一段とスッキリしています。パネルのヒンジの数まで作り分けされています。

初期形の非公式側2エンドです。
側面の窓の配置が公式側と違います。こうゆう非対称の意匠は好みです(笑)。
運転台へ登るハシゴ、点検パネル下に彫り込まれた足掛け等々、精密な造形です。KATO製品を撮影していて驚くのはPC上で数倍に拡大しても破綻が無い事です。いかに優れた設計と生産か判ります。

中期形の同じく非公式側2エンドです。
SG用のルーバーと側面ステップがありません。
前面窓がより立っているのが判ります。前照灯の位置と相まって、初期形と似ていても印象の違う顔つきです。
屋根周りです。ココはDLの見せ場でもあるので少し細かく見ていきます(笑)。


2エンド側です。
信号煙管の位置が両者で異なります。
又中期形はキャブ上パネルの周りにリベットが打たれています。KATOのリベット表現はいつみてもホレボレします(笑)。
SG上部の形状は随分違います。SG自体が違う型式になったからでしょうか。

初期形は煙管の延長工事後が精密なモールドで再現されています。

放熱ファンは、中期形の方が1エンド寄りに設置されています。
ファンと金網のモールドはとても精密で立体的です。スミ入れをしなくてもとても良いイメージです。今にもファンが回りだしそうです。ココはDLのポイントですから力が入ります(笑)。

1エンド側です。
やはり細かく作り分けがされています。
余談ですが今回購入した1台のホイッスルが根元までキチンと刺しこまれていなく、自分で最後まで押し込みました。普段ユーザー取付けのホイッスルをよくひん曲げている私としては冷や汗ものでした(笑)。ユーザー取付けの場合は予備があるので気が楽ですが…。

台車周りです。
重厚感があり素晴らしい出来です。内側台枠なので車輪が良く見えます。
毎度の事ですが、KATOは台車周りの設計が本当にGoodです。他社の様な腰高感は微塵もありません。集電パーツもほとんど見えません。いくら精密でも他社の様にピカピカの集電パーツが覗いていると興ざめですから(笑)。台枠も精密なモールドです。

DD54のアイデンティティ、1軸中間台車も緻密です。

床下器具(燃料タンク?)は初期形と中期形でブラケットの有無が作り分けられています。

トラクションタイヤは前後に1個づつです。
結論、初期形も中期形もどちらもカッコイイですね(笑)。2台とも買って正解でした。
