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■TOMIX ボギー貨車をKATO製カプラーへ交換【改訂版】
TOMIXボギー貨車をKATO製車間短縮ナックルカプラー、ナハフ11かもめナックルカプラー、KATOカプラーNに交換してみました。車間短縮と自動連結(突き当て連結)の両立も図ります。
(PC閲覧を推奨。画像クリックで拡大します。)
1、TOMIX ボギー貨車のカプラーポケット
台車の裏側です。
カプラーポケットの形状はほぼ同じです。
下はめタイプのチキ7000の台車です。
金属カバーを外します。※
スプリングでカプラーを保持しています。
(※金属カバーはカプラーのはまっている方向からカバーの隙間にマイナスの精密ドライバー等を刺し込み、片側を上げる様に回すと外れます。はめる時は単純に押し込みます。)
カプラーとスプリングを外しました。
2、車間短縮ナックルカプラーへ交換【突出4.4mm】
KATO車間短縮ナックルカプラー(28-187)へ交換します。
20個入り、税別定価800円です。
下はめタイプのチキ7000の台車です。
カプラーやカプラーポケットには一切の加工無しで
アーノルドと交換するだけです。
初心者に優しいですネ(笑)。
スプリングはTOMIXオリジナルの物です。
カバーをはめれば完成です。
カプラーポケットからの突出量は、4.4mmです。
スタンダードゲージでチェックです。
カバー下はめタイプ(タキ25000)です。
若干低いですがOKでしょう。
カバー上はめタイプ(ワキ10000)です。
こちらはピッタリの高さです。
同じメーカーでカプラーの高さが違うと言うのはどうなんでしょう(笑)。
3、ナハフ11かもめナックルカプラーへ交換
ナハフ11かもめナックルカプラー(Z05-1376 )です。
10個入り、税別定価600円です。
以下、かもめナックルと呼称します。
無加工、車間短縮化、車間超短縮化の3種を試します。
3-1、かもめナックル(無加工)【突出6mm】
かもめナックルも一切の加工無しでポン付け出来ます。スプリングはTOMIXオリジナルです。
金属カバーを戻せば完成です。(下はめタイプ)
スタンダードゲージで高さチェックです。
カバー下はめタイプは若干低目です。
ただ無加工のポン付けでは、車間短縮カプラーとかもめナックルカプラーのシャンクの突き出し量がこれだけ違います。
車間短縮は4.4mm、かもめナックルは6mmです。
3-2、かもめナックル(車間短縮化)【突出4.8mm】
そこで、かもめナックルの根元の足を切断し、1mm強短縮化してみます。
(1)かもめナックルの穴に爪楊枝を刺し、ナックルシャンクとリップシャンクを固定します。突き出た爪楊枝の両端を切断します。
(2)カプラーの根元の足を破線部分でカットします。左右方向の突起は残します。
足を切る事で約1mmセットバック出来ます。爪楊枝はピンの代用としてそのまま刺しておきます。
カプラーを側面から見ます。
(3)カプラーのお尻側の段差を柄の部分とツライチになる様にデザインナイフ等でカットします。
このカット分、カプラーを上側にセットします。
金属ヤスリで仕上げます。
カバー上はめタイプ(ワキ10000)の台車です。
カプラー保持の為、台所用スポンジをカプラーポケットに詰めます。
数ミリ角に切ったスポンジを3個用意します。
スポンジ方式の良い所は部材の切り出し寸法や形が適当で良いので工作が簡単な所です。
又カプラーポケットの形状に囚われない事です。
(4)まず、カプラーポケットの底にスポンジを1個敷きます。※
スポンジの反発力でカプラーを上側に押し上げる為です。
※カバー下はめタイプ(チキ7000、タキ5450、タキ25000等)は、カバーの上にスポンジ、その上にカプラーを置きます。
(5)次に前側の角2ヶ所(矢印)にスポンジを押し込みます。
カプラー根元の左右の突起を利用して、後ろ側に保持するためです。
金属カバーをはめて完成です。
すき間から見えるスポンジは黒マーカーで塗ると良いでしょう。
スタンダードゲージで高さチェックです。
ほぼピッタリではないでしょうか。
ちなみに上記カプラー加工の工程(3)を行わないと、これだけ下がります。
これでもR282、勾配4%で自然開放はありませんでしたが、当方では念の為、工程(3)を施行しています。
カプラーの足を切り、更にカプラーポケットの後ろ側に保持することでカプラーポケットからの突出量は4.8mmとなりました。車間短縮カプラーの4.4mmとほぼ同等です。
3-3、かもめナックル(車間超短縮化)【突出3.4mm】
上記3-2,短縮化だと、タキ25000やチキ7000等の床下パーツ=妻面のタンク・無蓋車では、車間がちょっと開き気味(約6mm)でした。
そこで更なる超短縮化を図りました。
(1)根元の足の破線部分をニッパー等でカットします。
3-2,短縮化とは切る部分が違い、こちらは突起部全てをカットします。
リップシャンクとナックルシャンクを組み合わせ、穴に爪楊枝を通し、2つのパーツを固定すると一度でカット出来ます。
(2)カプラーを側面から見ます。
シャンクのカプラー側と根元側の2ヶ所の段差をデザインナイフで削り、ツライチにします。
金属ヤスリで仕上げると良いでしょう。
(3)金属カバーの穴に、爪楊枝をグリグリと約2.5mmねじ込みます。
カバー下はめタイプの場合です。
(4)爪楊枝の先端をカプラーの穴に入れ、そのままカプラーをカバーに乗せます。
カバー上はめタイプの場合は、カプラーの天地は上下逆さまになります。
(5)爪楊枝を持って、カプラーごと金属カバーをはめます。
(6)爪楊枝を0.5mmくらい残す様にして、ニッパーで切ります。
つまり、金属カバーの穴を利用して爪楊枝でピンを立て、そこにカプラーの根元の穴が入る、という仕組みです。
金属の穴に柔らかい木をねじ込んでいるので簡単には取れませんが、念の為、ゴム系接着剤を外側に少量塗っておきます。
(この爪楊枝をカバーの穴に刺す方式は、TOMIX2軸貨車にも応用出来ます。)
(7)最後に、カプラーの根元のすき間(矢印)からカプラー下側にスポンジを押し込みます。
カプラーを上側に押し付ける為です。これで完成です。
先端の尖がったピンセットがあると便利です。
カバー下はめタイプの場合は、工程(4)の段階で爪楊枝にスポンジを刺し、その上にカプラーを乗せて、まとめてカプラーポケットに嵌めても良いでしょう。
はみ出たスポンジは、(7)同様、カプラー下に押し込みます。
スタンダードゲージで高さチェックです。若干低いですがOKとします。
金属カバーが下はめのタイプは、低目になります。
カバー上はめタイプは、ピッタリです。
カプラーポケットからの突出量は以下の通りです。
かもめの超短縮化では3.4mmとなり、短縮化4.8mmに比べても1.4mm短くなりました。
無改造の車間短縮カプラーと比べても1mm短いです。
ワキ10000とタキ25000に付けてみました。
車端からの突き出し量は、それぞれ3.1mmと3.8mmです。
有蓋車は妻面の厚みがあるのでギリギリになります。
R282のカーブでは大丈夫ですが、小カーブではカプラーが妻面に接触するかもしれません。
4、KATOカプラーNへ交換【5.9mm】
KATOカプラーN(11-702)、20個入り税別400円を付けてみます。
KATOの車両に使う時はスプリング無しで使うので、まずはスプリング無しで試しましたが、カプラーが下を向いてしまいます。
KATOカプラーNをTOMIXに使う場合は、「元のスプリングを入れる」というご指摘を頂いたので、やってみました。わずかに低いですが、OKの様です。ご教示有難うございました。
カプラーポケットからの突出量は5.9mmです。
勿論、金属カバーは上はめタイプ、下はめタイプどちらも装着可です。
ただカプラーNは、車間短縮カプラーと突き当て連結が出来ず、車間も広いので当方では不採用としました。
5、試運転
R282、勾配4%、6番ポイントを含むレイアウトで試運転を行いました。
車間短縮ナックルカプラー、かもめナックル3種類(無加工、短縮化、超短縮化)、KATOカプラーN共に自然開放や脱線はありませんでした。
6、まとめ
6-1、突出量
カプラーポケットからの突き出し量は…、
・車間短縮ナックルカプラー…4.4mm
・かもめナックル(超短縮化)…3.4mm、
・かもめナックル(短縮化)…4.8mm
・かもめナックル(無加工)…6.0mm
・KATOカプラーN…5.9mm
…となりました。※
(※数値は±0.1mm程度の誤差あり)
かもめナックルの超短縮でもR282を通過しますが、それより小さいカーブでは、かもめの短縮化又は無加工、カプラーNとなるでしょう。
6-2、車間短縮ナックルカプラー
車間はそれぞれ次の様になります。
車間短縮ナックルカプラー同士では車間5.3mmです。
TOMIXボギー車の場合、スペーサーを入れてカプラーをセットバックする余地があるので更に短縮出来ますが、今回はここまでとします。
自動連結(突き当て連結)に拘らなければ、この組み合わせが加工無しで済みますし、簡単です。
【評価】
〇…加工無し、車間狭い
X…自動連結不可
6-3、ナハフ11かもめナックルカプラー(無加工)
車間短縮ナックルカプラーとかもめナックル(無加工)の組み合わせでは、車間は7.6mmです。
突き当て連結は出来ますが、車間が広過ぎる為、当方では不採用としました。
【評価】
〇…加工無し、自動連結可
X…車間広い
6-4、ナハフ11かもめナックルカプラー(車間短縮化)
車間短縮ナックルカプラーと、かもめナックル(車間短縮化) の組み合わせです。
車間は6mmです。多少のカプラー加工が必要です。
【評価】
〇…自動連結可、車間狭い
X…加工有り
6-5、ナハフ11かもめナックルカプラー(車間超短縮化)
車間短縮ナックルカプラーと、かもめナックル(車間超短縮化)です。車間は4.3mmです。
車間が最も狭く、自動連結出来るこの組み合わせを採用としました。
【評価】
〇…自動連結可、車間とても狭い
X…加工有り
同じく車間短縮ナックルカプラーと、有蓋車のかもめナックル(車間超短縮化)です。
車間は4.6mm。良い感じです。有蓋車も超短縮化を採用としました。
※数値は全て±0.1mm程度の誤差あり
当方のTOMIXボギー貨車には、車間短縮ナックルカプラーとかもめナックル(超短縮化)を1両の両端にそれぞれ装着しました。これにより車間短縮と自動連結(突き当て連結)の両立が可能になります。
ボギー貨車の車間短縮と自動連結の両立については【コチラ】を参照下さい。
勿論、車間短縮と自動連結の両立は、連結相手が他メーカー、ボギー貨車、2軸貨車を問わず、全ての組み合わせで両立します。国鉄時代の解結貨物の編成変えが楽になりました。
前述の通り、TOMIXボギー貨車の台車には、金属カバーを下から付けるタイプと上から付けるタイプの2つがあります。
記事の中で2つが混在し、少し煩雑になってしまいました。カプラーポケットの形状・高さはほぼ同じなのでカプラー本体の取付け・加工方法は同じです。
【オマケ】
かもめナックルの短縮化や超短縮化を作ると、先端を切り落とした爪楊枝がドンドン溜まります(笑)。
これらは有効に再利用できるので取っておきましょう。
再利用の仕方は【コチラ】です。
※工作・カプラー交換は自己責任でお願いします。
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2017年7月記載/2018年5月追記/2021年3月改訂(トミックス・カプラー交換)
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